posi角丸は、光学分野で用いられる角治具および丸治具のレンズ室数(穴数または入り数と呼ぶこともあります)レンズ室の配置を算出ソフトウェアです.posi角丸で治具のレンズ室の形状、寸法や配列方法(矩形や円周上等)を選択・入力し計算すれば、治具に収容可能なレンズ室数を求めることができます.また、穴配置をイメージ(画像)として画面上で確認できるだけでなく,DXFファイル出力することで普段ご利用のCADソフトにインポートし追加編集することも可能です.印刷機能では穴配置イメージのほか、レンズ室の中心座標、詳細計算では断面図などを出力することができます.
コート治具における基盤の配置は高度な非線形問題に属しています.設計変数となる基盤経,配置方法などの組み合わせにより解(入数)は様々です.また,大域的解(入数だけに着目した場合に最も入数が最大と思われる解)が求められたとしても,加工上問題のある穴間隔や配置では何の意味もありません.posi角丸ではこららの問題に対し,これまでの加工経験をソフトウェアに組み込むことにより,耐久性に優れ,加工しやすい穴配置をご提案できます.
posi角丸はコート治具の基盤,溝,ピンの配置を直感的かつ迅速に設計できます.また,ソフトウェアのカスタマイズ等のご相談も承っております.(問い合わせ先は本ページ最下部にございます.)
簡易計算
簡易計算では,安全係数を用い計算を行います.安全係数とは,実際の治具に加工する際の逃がしや裏面取りなどの影響を係数に置き換えたものです.この安全係数は,計算の際にレンズ室間隔,使用不可範囲の入力値に掛け合わされ,その値を用いてレンズ室数を求めます.簡易計算機能により,刃物の逃がしの干渉や,隣接する裏面とりの干渉に伴う板厚の減少などをある程度回避することができます.また,詳細計算にくらべ入力数が少ないので短い時間で簡易的なレンズ室配置を確認することが可能です.
(入力値の数:10-15)
詳細計算
詳細計算では,詳細寸法として板厚,深さ,裏面取り角度、ストレート、かかりもしくは下穴径,干渉後厚さを入力することで裏面取りの影響をさらに正確に把握することができます.そのため簡易計算に比べ,計算で求めたレンズ室数と加工時のレンズ室数の誤差を少なくすることができます.
また,画面上・印刷上ではレンズ室の配置イメージだけではなく,裏面取りの状況やレンズ室の断面のイメージも表示されます.さらにダブル治具の場合では,ピンや溝の配置イメージも表示できるため,今まで以上に製品の全体像を把握しやすくなりました.
(入力値の数:24-71)
ファイル入出力機能
posi角丸では次のファイル出力機能をサポートしています.
- 入力値のファイル入出力(TXT形式)
詳細計算モードではより詳細な設計を行うため,最大で24-71の入力値を必要となります.posi角丸のファイルの入出力機能を用いれば,わずらわしい入力の手間をはぶけるだけでなく,posi角丸ユーザー間でのスムーズなデータのやりとりが可能です.(テキストファイル形式のため.)
- 基盤座標の出力(CSV形式)
posi角丸により求められた2D基盤座標値(治具内のレンズ室の座標値)をCSV形式でファイル出力することができます.ファイル主力された基盤座標値を数値制御加工機のプログラム(NC等)にコピー&ペーストすることで加工プログラムを迅速に作成することができます.
- DXFファイルの出力[多機能版のみ]
posi角丸で求められた設計情報をDXFファイルに出力できます.基本設計はposi角丸で行い,カスタマイズ設計を普段ご利用のCADソフトウェアで行うことで設計時間を大幅に短縮できます.
※詳細計算によるコート治具設計の流れをFig.01〜08に示します.
※posi角丸に関するお問い合せ,カスタマイズのご相談等は弊社工学システム部までメールにてお寄せください.